メダカの飼育方法

メダカの飼育方法

飼育方法さえ間違わなければ簡単に飼える魚です。

基本は水1リットルに対してメダカ1匹で飼育することが大前提となります。例として10匹のメダカを飼育する場合は、最低でも水が10リットル以上入る容器を準備してください。また、水道水を使用する場合はカルキ抜きが必須となります。地下水や井戸水を使用する場合は飼育に適している水質かどうかを事前に調べる必要があります。
過密飼育はメダカにとって決して良いことではありません。成長の遅れ、繁殖率の低下や水質悪化及び変化を引き起こすなど結果、悪い方へと向かいがちです。メダカを長生きさせたいのであれば容器に余裕を持たせた状態で飼育することをお勧めします。
 
 

メダカの飼育方法とは?

 

メダカ
ダツ目メダカ科メダカ属(学名 Oryzias)に分類される淡水魚の総称です。野生メダカの平均寿命は1年弱ですが、改良メダカの場合、人の手によって飼育されるので必然と寿命は長くなります。飼育環境が適していれば3年程生きる個体も出現してきます。長生きする個体は4~5年も生きるそうです。このように基本的な飼育方法を知っていれば、初めて改良メダカを購入する方でも簡単に飼育できます。漢字で表すだけでも(目高.青鱂.鱂魚.麦魚.丁班魚.撮干魚)これだけあります。中国語圏などの呼び名も含まれています。→在来メダカ

 

 

飼育場所
メダカを飼育する容器は、なるべく日当たりの良い場所に設置してあげましょう。太陽光には殺菌作用があるため丈夫で健康な状態を維持でき、病気にかかりにくくなります。また繁殖行為の増加や、色揚げ効果もあります。メダカを飼育する場所は日当たりの良い屋外が理想的と言えます。しかし、夏場の直射日光が当たり過ぎると屋外水槽の水温はかなり上昇します。メダカは38度くらいまでなら活動できますがそれ以上水温が上がるようなら日差しを遮る屋根等(すだれ、波板)が必要となります。他の方法としては直射日光が当たらない場所に夏場だけ移動させるなどもあります。→屋内飼育について

 

飼育容器
メダカには背地反応(保護色機能)があり外敵から身を守るために体色を変化させます。外界の明るさや色彩の変化を眼によって受容し、これが色素胞に分布する神経を興奮させる。その結果、色素胞の中の色素果粒の分布に影響を及ぼし、体色が変化するのです。例として白色の容器やガラス水槽に入れると体色は薄くなり、黒色の容器に入れると体色は濃くなります。それと例外の品種も存在します。オロチ(真っ黒なメダカ)は背地反応が殆ど無い為、白い容器に入れても真っ黒でまるで墨のような黒さです。ピュアブラックもオロチほどでは無いですがスモールアイの為、配置反応が起きにくく黒々とした体色を維持します。他にアルビノ(スモールアイも含む)なども視力が弱いため、背地反応が起こりにくいです。→飼育に適している容器は?

 

水草
メダカにとって水草は外敵からの避難場所や産卵場所となります。他にも夏場の水温上昇対策にも多少ながら効果的です。水中葉を繁らすような水草は日中、光合成を行うので微量ながらも水中の酸素供給にもつながり、根は水中の過剰な養分を吸収するので水質も安定します。
しかし、増えすぎた水草は夜間の間に水中の酸素を吸収するので水温が高い場合はメダカが酸欠死する場合もあります。増え過ぎた水草はトリミングして取り除いてあげましょう。

 

 

底砂
赤玉土、大磯砂、ソイルなどを使用します。他にも水生植物の土などでも問題はありません。底砂利を使用するのなら角がない砂利を使用することをお勧めします。サンゴ砂に関してはPHが上昇しやすいためこまめな水質管理が必要となります。また、底床を作る最大のメリットは、メダカにとって有害な物質を浄化してくれるバクテリアの住処となります。このバクテリアは餌の食べ残しや糞を分解し、アンモニアを亜硝酸塩に変化させ最終的に硝酸塩へと変化させてくれます。この硝酸塩という物質はメダカにとってそれほど害はありません。水質の安定を図るならまずは水質浄化バクテリアを殖やしましょう。

 

飼育水
メダカを飼育する上で重要になってくるのが飼育水です。基本は水道水か地下水です。水道水は絶対にカルキ抜きを行ってから使用してください。水道水には殺菌のために塩素が使用されています。この塩素がメダカに害を与えるのです。水道水の塩素を抜くには屋外で約二十四時間、室内の場合は、2~3日室内で汲み置きして使用する事をお勧めします。水道水や地下水は地域によってPHに問題がある可能性があるので市販のph測定器などで予め調べておく事が重要です。それと汲み置き水を常に溜めておく利点があります。水温が気温と同じくらいになり、水換えをする際にメダカに余計な負荷をかけずに済むため、メダカにも飼育する側にも好都合となります。→PHとは?

 

グリーンウォーター
水中で植物性プランクトンが発生し、緑色に見える水をグリーンウォーターと呼びます。このグリーンウォーターがメダカの育成にとても効果的です。特に稚魚の育成に最適な水となり、毛子や針子の餓死を防ぐことにも繋がります。塩素を抜いただけの状態の汲み置き水を日当たりのいい場所に置いているだけではなかなかグリーンウォーターにはならず、微生物を多少加えることによって効果的なグリーンウォーターへと変貌を遂げるのです。→グリーンウォーターの作り方

 

 

メダカの餌
メダカは雑食性です。口に入るものはなんでも一度は口に入れ、食べられるものは全て食べます。オーガニック系はプランクトン(ミジンコ、藻類、スピルリナ、クロレラ、)ボウフラ、赤虫、小さな昆虫などです。人工的な餌でいうと配合飼料、乾燥赤虫等です。他にも産んだ卵を食べる行為(食卵)や毛子/針子が食べられる(共食い)などメダカは非常に色々なものを食べてしいます。食卵や共食いを減らすためにもこまめに採卵、稚魚の選別を行うことで予防できます。メダカの口は上向き気味についているので水面近くでよく餌を探します。水底に沈んだ餌も探し出しますが食べるのは下手です。なるべく浮揚性の餌を与えるようにしましょう。
そして、メダカの食べられるサイズの餌を適量与えることが肝心です。「基本は1日の給餌回数を複数回に分け、1回の給餌量を数十秒~1分程度で食べきれるよう調整して与え、食べ残しを出さないようにする」という給餌の方法が食べ残しも減り水質の安定化に繋がります。
後、日没直前に給餌を行ったりすると消化不良を起こす可能性が高まるので給餌は日没二時間前くらいで終わらせましょう。さらに付け加えておきますがメダカは変温動物なので水温が下がれば当然、エサの喰いも悪くなってきます。そのような状態で通常通りの給餌量を与え続ければメダカにダメージを与えかねません。よく観察して適切なエサの量を与えてください。→メダカは何を食べるのか?

 
メダカの病気
代表的な病気ですが白点病(ウオノカイセンチュウに寄生される)、尾腐れ病(カラムナリス菌が原因)、水カビ病があります。その他でエロモナス病(松かさ病含む)があります。白点病と水カビ病は早期に発見できたらすぐ完治できますが、その他の病気からメダカを完治させるのはなかなか難しい課題となります。
特にエロモナス菌が厄介で赤班病と言われる病状は初期症状は小さい赤班がヒレなどに確認でき、重度になると赤班も大きくなり数も増えます。松かさ病もエロモナス菌が原因で腹部が膨らみ鱗が逆立ちます。ダルマメダカが感染した場合、松ぼっくりみたいな見た目になります。
メダカの体調や外傷を治す方法として一般的なのが塩浴です。濃度は0.5%としてください。いきなり塩分濃度を高めるのではなく二日ほどかけて濃度を0.5%まであげて1週間前後、様子をみます。症状が悪化していくようならグリーンFやマラカイトグリーンを使用して薬浴させます。それでも症状が改善しない場合はかなり弱っているので神頼みしかありません。
それと、魚病薬を使用するときに注意しないといけないことがあり、説明書通りの希釈率でメダカを薬浴させたりしたら弱っているため即死する可能性があります。薬浴させる場合も塩浴の容量と同じで、基準より薄めに作りつつ、徐々に濃くしていき、2~3日後に規定の濃度に達するようにしてください。→病気を解説

 

メダカの繁殖シーズンは??

 
ペアの相性
メダカ同士の相性があり、この相性が合わなければ全く卵を産みません…産むときは産みますが殆どが無精卵です笑。
逆に相性が合うオスとメスからはほぼ毎日10~30個(個数はメダカのサイズにより異る)程度の卵が採卵でき、ワンペアから数百以上の卵が取れることも普通にあります。 →効率よく繁殖させるには?

 

 

 

産卵
屋外飼育の場合、春~秋(4月~10月頃)にかけて産卵します。
繁殖シーズンには水温と日照時間が密接に関係しており、屋内飼育の場合でも水温18度以上で日照時間を13時間とってあげればメダカの求愛行動を確認できるようになります。暖かい地域と寒い地域で差があるのでズレは生じてきますが大体、4月~9月までの間を平均的な繁殖/採卵シーズンと思ってください。また11月-3月の寒い時期に室内でヒーター等を使用して夏場のような環境(13時間以上の日照時間が必須)を再現すれば年間を通して効率よくメダカを増やすことが可能です。
ここで一つ注意しなければならないことがあり、夏場に屋外で採卵していた親メダカをそのまま室内に移動してヒーター等で加温し、産卵し続けた場合、大抵のメダカはその年の最初の産卵開始から3~6ヶ月目くらいで卵を産まなくなります。そういった場合は水槽の水温を徐々に下げて、晩秋から初冬くらいの水温(最低でも18度以下)に調節してあげましょう。2~3程休ませたら再度、徐々に水温を上げてあげればまた産卵します。しかし、この方法にもそれなりの欠点があり、連続して産卵させ続けたメスの寿命は短く、大抵1年弱くらいで一生を終えてしまう個体が多いです。→卵はいつ孵化するの?

 

越冬
暖かい年は11月初旬~12月初旬までに越冬準備を、寒い年は10月初旬~11月初旬までに準備を行います。準備ですが、まずは屋外で越冬させるメダカ達の飼育容器を深さのあるものに変更します。理由は簡単で「水量が少なく浅い容器では水が全て凍ってしまう」からです。飼育容器が足りない場合は、わざわざ買い足さなくても無料で貰える発泡スチロール(深さがあるもの)などで代用できます。→越冬の準備