金魚の主な病気と寄生虫
松かさ病
金魚に起こる病気です。立鱗病ともいわれます。この病気の特徴は、鱗の裏側に水泡が生じて鱗が逆立ちすること、また病状が悪化すると鱗から血が浮かび上がってくることです。
病魚が発生した場合は、すぐに隔離することが重要です。隔離することで他の魚が感染するリスクを減らすことができます。隔離した病魚は、清水に収容するか、1%の食塩水に収容することが望ましいです。これにより、病気の病因や病状を治療することができる可能性が高くなります。
この病気は、環境や栄養不足などによって引き起こされるという意見もあります。金魚を飼う際は、環境や栄養状態を適切に管理し、病気の発生を防ぐことが大切です。この病気は早期発見と適切な治療が行われるとすぐ完治します。病魚が重篤で治療法がわからない場合は、購入店もしくは専門家に一度、相談してみることをお勧めします。
白点病
ヒゼン病とも呼ばれ、金魚に発生する最も一般的な病気であり、稚魚によく見られます。梅雨期に特に多く発生し、伝染力が強く、病魚は体全体に白い斑点を生じ、表皮がはげ、最悪の場合は死に至ります。
治療法としては、水槽に5%のメチレンブルー(試薬)水溶液を10リットル当たり5~6滴加え、水温を3~4度上げることで効果があります。または12,000倍の硫酸キニーネ液に入れてもよいです。
この病気は、環境や栄養状態の管理不備、不適切な水換え、水合わせ、ストレスなどが原因となることがあります。金魚を飼う際は、環境や栄養状態を適切に管理し、ストレスを減らすことが大切です。この病気は早期発見と適切な治療が行われるとすぐ完治します。
鰓くされ病
この病気は、稚魚に大きな被害をもたらす病気です。鰓蓋、唇、鰓が腐敗していくことが特徴です。発生時期は、天候の不安定な梅雨期に多く、水温の急激な変化により、発生しやすいと言われています。治療としては、水100リットルに対して1から2グラムのエルバージュを溶かして、病魚を薬浴させることが有効とされています。
ウオジラミ
魚類に寄生する脚虫(寄生撓脚類)によって引き起こされる病気です。脚虫は体表に付着して、魚の体液を吸い取り、魚の体力を弱めます。脚虫が多数付着すると、魚の表皮を損傷し、他の疾病を併発することもあります。駆除方法としては、「ナンコールS」や「水産用マゾテン」などがあります。
イカリムシ
水棲の寄生虫であり、魚に寄生します。この虫は魚体に刺さり、体液を吸取ります。このため、魚が衰弱して疾病を併発することがあります。治療法としては、「水産用マゾテン」を使用して駆除する方法や、ピンセットで雌虫を抜き取る方法があります。
転覆病
症状は、金魚がひっくり返ることからこの病名が付けられています。この病気は、丸い体型をした金魚(例えばリュウキンやオランダシシガシラ)に多く見られます。他の病気と異なり、転覆病になった魚はまだエサを食べたりしますし、すぐに死んでしまうわけではありません。また、他の魚に伝染することもありません。
以前は金魚の浮き袋の異常が原因とされていましたが、最近の研究によって金魚の脊椎の中の平衡感覚に関係する神経の支障が原因とされています。転覆病の治療法は完全なものはありませんが、冬の水温が低下すると発症することが多いので水温をゆっくりと25℃前後まで上昇させると、転覆して間もない金魚に限っては治ることが知られています。またこのときに食塩を0.2-0.3%(水100Lに対して食塩200-300g)程度添加し、細菌の二次感染を防ぐためグリーンFゴールドを投薬すると効果的であるという意見もあります。